コンクリート構造物診断

コンクリート構造物診断に必要な能力

コンクリート構造物の変状要因は実に様々で複合的な要素で構成されていることが多いです。その変状要因を見極める為には、断片的な知識を個別に蓄えても、その知識を有機的に結びつけることはできません。そして、変状に対する適切な提案をするためには、A〜Dの能力が必要であると考えています。

A:他の変状とは異なる特定の変状であることが識別できる。
B:変状を確定するための調査手法と結果の分析方法を理解している。
C:現状或いは将来のある時点における性能と本来保有すべき性能との差が把握できる。
D:その上で、変状の劣化度に対応する対策を理解している。

以上のように、診断業務の流れを把握していなければ、適切な提案を行うことはできないといえます。
ハーメティックでは、診断業務の流れを把握して対応し、適切な提案を行える人材を育成してまいります。

コンクリート構造物診断の流れ

以下に①〜⑤で簡単に構造物診断の流れを説明いたします。

構造物診断の流れ

①机上調査、外観調査

外的要因、内的要因、施工的要因、地位的要因、時代的要因などの情報や、一般図・構造図などを入手します。
変状を直接観察し変状原因に当たりをつけ、変状範囲をおおまかにつかみます。

②概略評価

以下のような概略評価を行います。
「変状原因が推定された」
「詳細調査を実施する必要がある」
「簡易な補修で対応できる」
「対策は不要である」

③調査・試験

変状原因とその範囲を特定できない場合は、詳細計画が必要になってきます。
各種の調査手法を組み合わせて、評価・判定に必要な調査結果を得て適切な計画を立案します。

④評価・判定

ⅰ)変状原因の推定

①~③を合わせて変状原因を推定します。

ⅱ)劣化予測

構造物に生じる変状のうち、時間の経過に伴って性能定価が生じる変状を【劣化】といいます。劣化がどのように推移するのか、将来の状態を予測します。

ⅲ)性能評価

構造物の要求性能には、安全性、使用性、第三者影響度、美観、耐久性があります。変状によって損なわれた性能とその程度を明らかにし、所要の水準を満足しているか【評価】します。

ⅳ)対策要否の判定

所要の水準を満足していないor満足できなくなる可能性があるか否か
→対策が必要かどうかの判定を行うます

⑤対策

推定された変状と劣化度に応じた対策を選定します。
「何もしない」
「取り壊す」
「補修・補強」